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水産業の高度化・先進化
事例名 | 水産加工業の高度化・多角化 |
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場所 | 宮城県気仙沼市 |
取組時期 | 応急期復旧期復興前期復興後期 |
取組主体 | 株式会社八葉水産 |
取組概要
株式会社八葉水産は津波によりすべての生産設備が被災したが、国の支援を受け、気仙沼市の代表的な水産加工業者として塩辛などの生産・販売に取り組んでいる。新商品には学生のアイデアや発想、地域の資源を活用した商品開発に取組み、新たな販路を開拓している。
気仙沼産商品の地域ブランド「リアスフードプロジェクト」を立ち上げ、三陸地方における水産加工業・食品産業の活性化を進めている。また三陸の食材を使った「リアスフードグランプリ」を開催するなど、気仙沼の地域ブランドを確立させるため積極的に情報を発信している。
具体的内容
東日本大震災による本社・工場の損壊
株式会社八葉水産は、宮城県気仙沼市を代表する水産加工会社であり、震災前から、地域の資源を活用した「みちのく塩辛」をはじめとする各種塩辛や「みちのくめかぶ」など海藻を使った商品を製造・販売している。
しかし、東日本大震災で本社建屋、5つの工場などすべて失い、機械や設備だけでなく、原料や製品も失ってしまうなど壊滅的な被害を受けた。2012年には工場は復旧できたものの、風評被害ならびに震災による売り先の減少などが生じたため、当社商品の販路は縮小し、さらに従業員不足も重なり、事業継続が困難な状況となっていた。
多様な制度の活用による経営再建
同社は、さまざまな支援制度を活用して、早期の経営再建を目指した。グループ補助金による生産施設・設備の復旧や、二重ローン対策としての東日本大震災事業者再生支援機構による既存債務免除の支援、復興庁による専門家派遣集中支援事業による経営の助言、さらに新エネルギー導入・普及のための「スマートコミュニティ導入促進事業」などの制度を積極的に活用し、事業の継続を行った。
若者のアイデア・発想を生かした商品開発
市場の変化に的確に対応した経営を進めるため、柔軟な発想による経営を展開している。復興庁の復興・創生インターン制度を活用して、若者の斬新なアイデアや発想を自社の商品開発や販売促進に取り入れている。これまで10人ほどインターン生を受け入れ経営を進めている。
受け入れたインターン生の発想・企画力を活かして、学生の新たな発想に基づく商品開発や会社のホームページ作成、商品パッケージ・ラベルの作成等に積極的に取り組むなど、若者たちの意見を企業の事業活動に反映させている。また当社も、東北の水産業の持つ魅力・ブランドを理解してもらう一環としてインターン生を受け入れており、学生・若者たちへのPRも積極的に努めている。
地域ブランドの確立
同社では「震災からの復興にとどまらず、次代の東北をつくっていくためにも、地域連携が必要」との観点から、同業者と連携して「Japanブランド みちのくMICHINOKU プロジェクト」を発足させた。気仙沼産の水産加工品でもあるイカの塩辛やメカブなどを使った製品のブランド化や新商品の開発、「JAPAN FOOD LABO」など国内外で開催されている各種展示会等へ積極的に参加するなどして、販路開拓・拡大に積極的に取り組んでいる。

写真:八葉水産「みちのく塩辛」
(出典:八葉水産ホームページ)
海外への販路開拓
2019年1月に、フランスのシラ国際外食産業見本市に出展し、海藻ソースを開発し、欧米への販路開拓に積極的に取り組んでいる。
・復興庁「岩手・宮城・福島の産業復興事例30 続く挑戦つなぐ未来へ」(2018年2月)p26-31
https://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat4/sub-cat4-1/20180216125933.html
・東北地方のはばたく中小企業・小規模事業者(中小企業庁)
・八葉水産「Japanブランド みちのくMICHINOKU」プロジェクトの紹介(2019年8月)
・復興庁「令和元年度「チーム化モデル」事例集」(2020年3月)
https://www.reconstruction.go.jp/portal/sangyou_nariwai/suisan/2019/material/20200622_r1_jireisyu.pdf
・グループ補助金
・復興・創生インターン制度
・専門家派遣集中支援事業
・平成25年度「スマートコミュニティ導入促進事業補助金」
・㈱東日本大震災事業者再生支援機構による債権買取り等の支援